ニューヨークの飲み水について 意外!大都会のおいしく安全な水
都会の水はまずいと言うのが一般的ですが、ここ、大都会ニューヨークの水はその一般論に逆らってとても質が良く安全でおいしいのです。水道から出てくる水をそのまま飲んでも大丈夫です。
ニューヨークのピザやベーグルがおいしいのは、その良質な水が使われているからだと言われています。
多くの都市では飲み水は浄水処理場で適切に処理された後飲めるようになるのですが、ニューヨークの水は処理場で処理する必要がないほどきれいで、施されているのは紫外線と、塩素による消毒のみです。
守られている水源地域
なぜニューヨークの水の質が良いのかというと、それは水を確保している水源地域が徹底的に保護されているからに他なりません。
ニューヨークシティから北西に200キロほど行った所にキャッツキル/デラウエア水源域と呼ばれるニューヨークシティーに水を90%供給しているエリアがあるのですが、シティーは良質な水を引き続き確保するために新たに10億ドルの予算を確保して、この水源地域を守る計画を遂行しています。
実際に何がなされているのか
〇水源地域一帯100万エーカー(1エーカー=1200坪)の40%はニューヨークシティー、ニューヨーク州、ローカル政府、非営利団体が保全の目的で所有している。
〇その他の水源域地帯は個人が所有しているけれど、水が汚染されるのを防ぐために勝手に開発することは禁止されている。
〇ニューヨークシティー自身が資金を出して、水源地域内にある民家、教会、非営利団体、個人経営の会社等の古くなった汚水処理用の浄化槽、下水処理施設を最新のものに変えている。
〇水に汚染物質が入るのを防ぐために、酪農農家の汚物処理設備を整える手助けをしている。
〇貯水池近くの古くなったり枯れた木々を取り去って、その後に新しい木々を植え、その新しい木々に水質汚染原因の一つとなる土中の余分な栄養分を吸収させる取り組みを行っている。
この素晴らしい取り組みを学ぼうと、世界中の都市から視察に来るそうです。
10億ドルの保全予算と聞くと莫大な金額な感じがします。しかしこういった水源地域を守る取り組みをせずに、汚染された水を安全に処理するための施設を新たに作るとなると、その予算は推定で100億ドル、その上に施設を稼働する資金が毎年1億ドルかかる計算だそうです。軽く10倍以上の資金がかかるのですね。
水源地域の自然を守った方が経済的にもずっとお得ということになります。
水は毎日何回も検査されている
水道の水が安全と言われているのにはもう一つ理由がありまして、それは毎日何回も水源域の貯水池や、ニューヨークシティーのいたる場所で水のサンプルが取られ水が安全かどうか検査されています。なんと年間にすると60万回、250種類の物質が混入されていないかテストしているそうです!
フッ素が入っている
虫歯を防ぐという目的で、アメリカでは飲み水にフッ素を微量入れる地域がありますが、ニューヨークシティーの水にも政府の定めた基準を超えないフッ素が入っています。
飲み水へのフッ素添加には長い議論の歴史があるようですが、微量なら健康に影響はないとされています。
赤ちゃんがいる家庭で気になる人はフッ素の入っていないボトルの水を購入してミルク用に使ったりしているようです。
それでもやっぱり気になる人へ
それでも水道水を飲むのはちょっと、、、という人におすすめなのは私も使っているブリタのピッチャー型のフィルターシステムです。貼っているのは参考までで日本版ですが、アメリカならどこでも売っています。
ピッチャーにフィルターをセットし水を入れるだけなので手軽です。ピッチャーをそのまま冷蔵庫に入れておけます。このフィルターは水の中の塩素も取り除いてくれ、よりおいしい水が飲めます。ただし、フッ素の除去効果はないようです。
↓こちらは交換用のフィルターです。フィルターは水の状態にもよりますが、大体2~3か月で交換します。(ピッチャーが交換時期を知らせてくれます)私は大体3か月で交換していますが、水がまずくなったなと思った時も交換しています。
この記事はニューヨークタイムズの記事を参照させていただきました。
読んでいただき有難うございました。